木製リングダクトスピーカーの試聴

昨年末に実家に帰った際、木板積層リングダクトスピーカーを長い時間鳴らすことができました。また、忙しいスケジュールの合間を縫って「ゆったり人5号」さんでありますHHさんに試聴に来て頂きました。

実家は木造1戸建で、今となってはかなり和風の家であります。
試聴したのは、座敷で畳にどろ壁、障子戸ありといった部屋。
コンクリートに囲まれたマンション等と比べると、音は抜けやすいかもしれません。

まだこれといったスピーカー台がないので、がっしりとした木製ちゃぶ台に置いて試聴です。それとスピーカー本体の足となる部分も考えないといけませんが…ま、間に合ってません(笑)

女性ボーカルの曲を聴きます。
音像がくっきりと浮かび上がる感じ。この定位感の良さは、ユニットを中心に取り囲むリングダクト構造のメリットです。ダクトからの音が出ても、音の中心はユニットの中央に変わりありません。
リングダクト部からの中域音の反響音も気になることなく、クリアに再生しています。

低音域ももう少し下方向に伸ばしたかったのですが、製作記でも記載しましたが材料代をケチったために容量不足、それを考えれば十分な低音再生を確保しています。
(※後日、周波数別の音を再生したところ50Hzまでは量感を確保していました)。

空気室容量、ダクトの長さを考えれば、本当はあと板を4枚程追加積層したいところです。これは次回製作時に取り組みます。

その他いろいろと聞き比べたところで、HHさんが
「リングダクトの効果がどの程度かな」
ということになり、それではとリングダクト部を塞いでみることに。

ティッシュをリングダクト部に詰めます^^
まぁ、これでダクトの共振はほぼ止まりますので、ダクト共振を利用するバスレフ構造から密閉箱の状態になったようなものです。

さて改めて試聴...
ううむ、かなりおとなしい音になりました。良く言えばすっきりした音、ですが物足りなさを感じます。
特に低音域では差が歴然。普通のバスレフスピーカーでもダクトを塞ぐとこのような傾向ではありますが、ここまで差があるかなぁという気もしますね。
逆にいうとリングダクト構造による増幅効果がかなり出ていた、とも言えるのかなと。

ティッシュを外して再度同じ曲を流すと、厚みのある、そして広がり感のある音へと変化します。ちなみにボーカルの定位感ではどちらも同じように良好でした。

スピーカーユニットバスレフのダクトは、なるべく離さないとダクトの共振周波数より下の周波数では打ち消し効果により急速に音圧が下がる、とされております(詳しくはバスレフスピーカーを参照ください)

リングダクトの場合、ユニットを取り囲むようにダクトを有するところは、このセオリーとも言えるようなユニットとダクトの距離を離すという点を無視しています^^
でも、密閉箱状態との聞き比べでは、メリット面は大きいと実感しましたが、デメリットという感じはなかったですねぇ。

HHさんは、事前に製作記も読まれて音の想像をされていたようです。
高域と低域がどれぐらい出ているか、興味を持って日頃聴きなれた曲をじっくりと聴かれました。
高域部については、とある曲で「シンバルの音が弱くない?」といったご指摘でありましたが、やはりミッドバスとされるユニットの特性でしょうか、ツィーターが欲しくなりますね。
低域部については、「もう少し下がね~」とのコメントながら、でも予想を超えた低音が出ているとのお声。
で、全体としては「驚いた、これいいね!」とのご評価でした。

これ以上の低音は、サイズ拡大により挑みましょう(^^)

ということで、次回「低域強化版」製作構想を一緒に練りまして、方針は見えました。
(ここでHHさんは帰って行かれました。お忙しいところ、有難うございました。)

(おまけ)

別の機会に、以前分解用にともらっていたミニコンポ付属スピーカーと聴き比べしました。廉価版モデルのようですが、ミッドバスとツィーターの2wayバスレフタイプ。
空気室容量としては、あまり大差ないと思われます。
リングダクトの場合はその空気室を取り囲むようにダクトがあるため大型化しておりますが、今回の空気室としてはそんなものでしょう。

で聴き比べると…

ミニコンポ付属スピーカーは、ダクトから漏れる中域音が反響的に聴こえ、こもった感じも。
その点、リングダクトのスリットが細く長いダクトは、中域音の漏れを低減させているようですね。
それから12cmのミッドバスと思われますが、低域音の厚みに下方向への伸び、スピード感、いずれも10cmユニットのリングダクトの方が勝っておりました。

今回は廉価版コンポのスピーカーと思われますので差が歴然でしたが、これからいろいろと聴き比べもしてみたいものです。
それに加えて、「低域強化版製作」にも^^

 

2010年01月03日作成
2011年12月05日一部更新

 

トラックバック

このブログ記事に対するトラックバックURL:

コメント & トラックバック

コメントはまだありません。

コメントする

WP-SpamFree by Pole Position Marketing