リングダクトスピーカー RD-801

塩ビ部材を用いたリングダクトスピーカー「RD-801」は、塩ビ部材の規定サイズをうまく使えるタイプです。

まずその構成はこのようになります。

VU100とVU125の部材を組み合わせることで、程度なリングダクト幅を確保することができます。
これが他のサイズで組み合わせようとするとけっこう難しい…

VU125のキャップを大きく開口する作業は気を使いますが、それ以外は比較的容易な作業で出来上がりますので、興味がある方はこのタイプでリングダクトスピーカーを作成されることをお奨めします^^

では、各部材の加工を進めます。

まずVU125の開港作業、この作業が一番怪我に注意となります。
自由錐を使いましたが、自分は規定外利用をして開口作業をしていますので、その方法をお奨めできません。
皆様には大型サイズの自由錐を用いていただくか、この部分は音への影響はほぼないでしょうから、何か違う方法で外見を調整されても良いかと思います。
(例えば木板にサイズを合わせて開口し、表面の見た目を整えるみたいな)

一応私のとった方法をご紹介しますと…
手持ちの自由錐は片刃タイプで、刃と反対側部分に抜け止めの黒い輪ゴムが付いています。
これにより最大開口サイズが直径120mm上限となるのですが、VU125のキャップに開けたいサイズは約130mm。

半径にしてあと5mmほど伸ばす必要があります。
そこで、黒い締め付け部に当たりストッパーとなる黒い輪ゴムを外して開口作業にあたった…という次第で、とても危険なのでお勧めできません(苦笑)

むろん、回転ドリルに取り付けて使用するため、刃の部分が遠心力で飛んでいく可能性が増す行為であります。
実際、自由錐はとても危険で回転時に刃の部分が飛んで器物を破損したという話もあります。人に当たっていれば大怪我の可能性もありますから、重々慎重な作業が求められますよ。
この作業ではありませんが、私も自由錐で3針縫う怪我をしたこともあります。自由錐とはこんなものかと、やはり慣れた頃は特に気の緩みもあって危険性が増すことを実感しました。

ま、その危険性を重々承知した上での作業、自己責任です(^^;)
いつもよりプライヤーで強く締め込み、途中途中で状況を確認して慎重に開口作業を行った次第です。

それと本作業は安定した状況下で自由錐を使う必要がありますから、VU125キャップ側の固定も問題になります。
私はベランダで作業したのですが、ベランダのコンクリート壁に靴を履いて、両足でVU125キャップを壁に押し付けるように力を加えて固定し、少々窮屈な体制ながら電動ドリルで開口しました。
傍目から見たら、うんこ座りをして壁に向かってうつむって何かしている…
とても危ない人ですね(笑)

やはりボール盤があるとこの点はいいですねぇ。

さて次の作業です。
リングダクトスピーカーは、内筒と外筒があります。底面(ユニットとは反対面)で内筒と外筒の位置を固定するためにボルトで締め付けます。
今回は3点をボルトで締め付けることにました。

ただ、3点の穴を開ける場所決めがけっこう難しい…
ということで、手元にあったクリアフォルダを活用して位置決めをすることにしました。

久しぶりに分度器を使いました(^^)
中央付近を適当に定めて1本のラインを引き、それに対して120度の角度で2本の交わるラインを引きます。
ラインの交わる点から均等に目盛りをいれます。
この均等に付けたマークのちょうど中央になるようにVU125キャップに重ねることで、キャップの中心とボルト用の開口箇所もちょうどよく示されるという具合です。

クリアフォルダには切れ目とか入れてませんから、クリアフォルダの上からペン等でマーキングできません。
そこで位置を合わせて、ボルト穴開口位置にはポンチでクリアフォルダもろともVU125に打刻します(要は印と付けられれば良い)

そしてM8のボルトを使用しますので、8.5mmのドリル刃で開口です。

後に内筒にも同様にボルト穴の開口作業を行いますが、クリアフォルダに打刻後が残ってますから、その場所をVU100のキャップに開ければうまくVU125キャップとうまく重なることなります。

テンプレート的に作っておけば便利な方法ですね。

うまく開口できました。
(ちなみにVU100キャップの中央の開口は自由錐によるもの)

これまでは同じM8のボルトであっても、スピーカーを立てて置けるようにとスピーカーラインを直出し、ボルトを内側から外側へと出し袋ナットを利用して足としてましたが、今回はナベ形状のボルトとしました。
これはやはりリスナーに向けて置いた方が音が良いことと、本製作品はお世話になっている方のお家へと奉公に出るのですが、立てて置くことはないだろうとの事前情報とスピーカー端子があった方が良いというお声でしたので考慮しました。

さて次は内筒です。
内筒は、上のイメージ図でも分かるように「VU100キャップ+VU100ソケット+VU100ソケット+VU100キャップ」という構成。
この「+」の部分には、VU100のパイプを適度な長さに切って挿入して繋げることになります。
空気室内の不要な反響音や定在波を抑制するために、VU100パイプの内側には適度にカットしたパンチカーペットを両面テープで貼り付けます。福が来るようにと見えない部分ですが「黄色」をチョイスです(^^)

底部のキャップに差し込んだところです。
3点のボルトがギリギリ収まってます、我ながら絶妙なボルト位置だなぁ…などと(笑)

次はソケット部です。
写真はすでにVU100のパイプを使って2段結合したところです。
このソケットの外側はリングダクト部の内壁面になるのですが、過去の経験からここには起毛カッティングシート(ベロアカッティングシートというのですかね?)を貼る方が音が引き締まります。

さてこのカッティングシートですが、これまでは貼る前にサイズを合わせてカットし、それをうまく貼るようにと注力していました。
カッティングシートの裏面にはカットしやすいようにと目安のラインも入っていることで、ついつい先にカットして貼るという思考になったのですが、この方法がけっこう難しいのです。
内筒を巻くように貼りますが、どうしても微妙にズレが生じてしまいます。貼りながら円筒を巻くように進む過程で上か下に余白が広がっていくことに…
それを強引に力で修正しようとすると皺がよってしまうので、またビリビリと剥いでやり直してまたビリビリと剥いでと何度かやって、最後はもうこの程度の皺ならいいやとあきらめるのです…

そこで今回は方法を変えました。

ある程度余裕がある幅でカットして、先に無理なく貼ります。
多少角度がズレていても余裕がありますから、貼るところに無理な力を加えることなく綺麗に巻くことができます。
そしてはみ出たところを丁寧にカットする…

楽です!

もっと早く気付くべきだったな~^^

これなら問題ないですね。
カッターの切れ味が良ければもっと仕上がりも綺麗になるはずです。
円形ですから、接地した部分にマットを敷いて回しながらカッターをうまくマットに押し当ててカッティングシートを切ります。少々コツがいりますが、ゆっくりやれば問題ないですし慣れてもきそうです。

底部と合体しました、差し込むだけですけどね(笑)
写真撮り忘れましたが、内部には適度にエアキャップ(粒が大きい)のを吸音材として入れています。効果あります^^

内筒のVP100キャップもユニットに合わせて開口して、ユニットを取り付けました。
今回使用したのは、

PARC Audio DCU-F101W ウッドコーン8cmフルレンジ

です。
この塩ビ構成では以前に、DIY-AUDIO SA/F80AMG(同じく8cmフルレンジ)をつかって製作して良好なサウンドを出してくれました。
実は、以前にSA/F80AMGを取り付けていた別筐体を使ってこのDCU-F101Wを取り付けたところ、ややボンつく音の傾向でした。そこで今回はDCU-F101W対策として内筒底面の開口サイズを直径1cmほど広げました。
結果はボンつく音は抑えられ、低音は量感がありつつもすっきりした印象になりました。
このあたりはユニットの性格も出てますね。
このスピーカーの奉公先の主に聴き比べてもらいましたが、同じ感想でした。

ちなみに、ユニットを取り付けた内筒キャップ(三菱樹脂製でしょう)の側面と外筒パイプとの間にはちょうど5mmの幅ができます(ソケット部分ではもう少し狭くなります)
そこで、写真に見えてますがホームセンターに売っているウレタン樹脂製クッション剤(粘着テープ付)の5mmタイプがちょうど良くはまり都合がいいです。

ちょいとレトロなオーディオ機器構成ですが…よく鳴りましたよ^^
(自分の部屋が狭くガラクタだらけでしたので、予備機を出して急遽リビングで聴いたときの環境・汗)

見た目を少し整えるために、私の製作では恒例となってますが外筒にもカーペット材を巻いてます。
外筒との間に両面テープ、そしてカーペット材が巻かれて輪になりつながる部分を瞬間接着剤により接着。

ひとときこのスピーカーの音を聴いてもらって、「いいね!」というお声とともにスピーカーの奉公先の主が持って帰られました^^
今はそのご子息の手元に移っている(一時的に奪われた?^^)とのことでしたが…活躍しているようでなによりです^^

リングダクトスピーカーについては、こちらを参照ください。

リングダクトスピーカーとは

 

2011年03月21日作成
2011年11月19日一部更新

 

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