共鳴の原理を活かしたスピーカータイプが共鳴管型エンクロージャですが、このタイプにもいくつか派生的モデルが存在します。
今回のTQWT型は、この管の太さ(断面積)が一定ではなく断面積が変化するホーン状になっています。
通常の共鳴管型は、共鳴させる管の太さ(断面積)が一定です。その途中にユニットを取り付けることで管内に共鳴が発生し、低音域を増幅する効果を得ます。
ですが筒鳴り的な共鳴管型らしい音が出やすい傾向があります。もちろん吸音材等の調整がされるところですが、構造的に一定の周波数での共鳴が発生し難いようにと、テーパー状の管としたところがTQWTの特徴です。
TQWTとは、テーパード・クォータ・ウェーブ・チューブの略です。
要はテーパーが付いた共鳴管です(ちなみに共鳴管はQWTですので)
TQWT型も共鳴管型同様の計算式で共鳴周波数を求めることができます。
周波数=音速÷(4×共鳴管の長さ(m))
(開口補正は誤差範囲として考慮しておりません)
ただし、ユニットの取り付け位置については少々異なります。
共鳴管型が、管の長さの1/3の位置という基本に対して、TQWT型はスロート部(細くなっている端部)の形状により計算式が分かれます。
いずれも共鳴管の断面積の縦横のいずれかは一定という前提(幅は一定、高さが変化する、というイメージです)
開口部(マウス部)については、共鳴管型同様に断面積の40%が良いとされています。
これは好ましくないとされる奇数倍周波数音の低減効果、共鳴する周波数を下げる効果、があるとされます。
TQWT型、共鳴管型は、筒状の筐体ということで箱鳴りが発生しやすいことと、開口部からの残響音(風呂場のエコーのような音)が出やすいので対策は必要ながら、比較的手軽に作れて迫力サウンドが得られるようです(まだ作ったことありませんで、聞いた・読んだところでは…)
それとTQWTはテーパー状の管の途中にスピーカーユニットが付いておりますが、スロート部にユニットを付けたら…
バックロードホーン型に似てくるのですね~
まぁ動作原理は違いますし、ホーンももっと先広がりの形状になる必要があるでしょう。
でも、ひょっとするとTQWT型とバックロードホーン型、どちらも多少出てくる音に作用しているかも…しれません。
2009年07月20日作成
2009年07月21日修正(ユニット位置説明の誤りについてご指摘があり修正しました。ご連絡に感謝です)
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