スピーカーのタイプ

コンビネーション型は、スピーカーエンクロージャーのタイプを組み合わせてできるスピーカータイプの総称です。
とはいいますものの、組み合わせる方法としては

フロントロードホーン + バスレフ
フロントロードホーン + バックロードホーン
フロントロードホーン + 共鳴管

といったところでしょうか。
コンビネーションといいましても、スピーカーユニット前はフロントロードホーンが現実的なので、それほど組み合わせ数があるとは思えません。

フロントロードホーン + バスレフのコンビネーション型スピーカーのイメージです。

フロントロードホーンは、スピーカーユニット前面の音に作用しますが、音道の長さのみの関係からは中高域に効果を発揮しているでしょう。
しかし、上記イメージ図のような大型コーンタイプのスピーカーユニット前に設置するフロントロードホーンの場合は、中高域の増強を図るというより別の効果を狙って取り付けてあると思われます。
それは、音道が短いからといって低域部への効果がないかというとそうでもなく、フロントロードホーンによりスピーカー前の空気を囲い込むことからスピーカーユニット(振動板)の空振りを防ぐ効果が生まれ、結果として空振りして音にならなかった低域音が出てくる効果は期待できます。
加えて、フロントロードホーンによる指向性が発生して、その方向への音圧は増す(能率が上がる)傾向になりますね。

タンノイ社のオートグラフ(1953年発売)という有名なスピーカーがありますが、これはフロントロードホーンバックロードホーンを組み合わせています(下記イメージ)

オートグラフに使われるスピーカーユニットはコアキシャル(同軸2way)で、一見普通のスピーカーユニットに見えますが、実は中央はツィーターが組み込まれているという代物。

また同じく名機としてアルテックのA5(1977年頃発売)、A7(1975年頃発売)といったフロントロードホーンバスレフというタイプがあります。
こちらも中高域については別にユニットをもつ2wayタイプで、コンビネーションのキャビネットは低域用となっています。
スピーカーユニットの空振り防止と、指向性による会場方向への能率向上という目的でしょうね。

 

2010年06月20日作成
2010年08月08日加筆

 

共鳴の原理を活かしたスピーカータイプが共鳴管型エンクロージャですが、このタイプにもいくつか派生的モデルが存在します。

今回のTQWT型は、この管の太さ(断面積)が一定ではなく断面積が変化するホーン状になっています。

通常の共鳴管型は、共鳴させる管の太さ(断面積)が一定です。その途中にユニットを取り付けることで管内に共鳴が発生し、低音域を増幅する効果を得ます。
ですが筒鳴り的な共鳴管型らしい音が出やすい傾向があります。もちろん吸音材等の調整がされるところですが、構造的に一定の周波数での共鳴が発生し難いようにと、テーパー状の管としたところがTQWTの特徴です。

TQWTとは、テーパード・クォータ・ウェーブ・チューブの略です。
要はテーパーが付いた共鳴管です(ちなみに共鳴管はQWTですので)

図にすると、こんな感じで違います。

TQWT型も共鳴管型同様の計算式で共鳴周波数を求めることができます。

周波数=音速÷(4×共鳴管の長さ(m))
(開口補正は誤差範囲として考慮しておりません)

ただし、ユニットの取り付け位置については少々異なります。

共鳴管型が、管の長さの1/3の位置という基本に対して、TQWT型はスロート部(細くなっている端部)の形状により計算式が分かれます。

いずれも共鳴管の断面積の縦横のいずれかは一定という前提(幅は一定、高さが変化する、というイメージです)

開口部(マウス部)については、共鳴管型同様に断面積の40%が良いとされています。
これは好ましくないとされる奇数倍周波数音の低減効果、共鳴する周波数を下げる効果、があるとされます。

TQWT型、共鳴管型は、筒状の筐体ということで箱鳴りが発生しやすいことと、開口部からの残響音(風呂場のエコーのような音)が出やすいので対策は必要ながら、比較的手軽に作れて迫力サウンドが得られるようです(まだ作ったことありませんで、聞いた・読んだところでは…)

それとTQWTはテーパー状の管の途中にスピーカーユニットが付いておりますが、スロート部にユニットを付けたら…

バックロードホーン型に似てくるのですね~
まぁ動作原理は違いますし、ホーンももっと先広がりの形状になる必要があるでしょう。

でも、ひょっとするとTQWT型とバックロードホーン型、どちらも多少出てくる音に作用しているかも…しれません。

比較的作りやすいTQWT例です。

 

2009年07月20日作成
2009年07月21日修正(ユニット位置説明の誤りについてご指摘があり修正しました。ご連絡に感謝です)

 

空気室1つにダクト(1本~複数本)あるタイプがバスレフ型スピーカーですが、空気室を2つ、3つとしたタイプが存在します。
2つの場合をダブルバスレフ型、3つの場合をトリプルバスレフ型というように呼ばれます。

外見の見た目は、大きなバスレフ型という感じですね。
通常のバスレフ型よりも一般的に空気室容量が合計で多く必要となりますので、筐体は大型化するのが一般的です。

内部は、空気室が2つ(またはそれ以上の複数の空気室)直列に区切られて、第一ダクトが内部に潜んでいるイメージとなります。

ここではダブルバスレフ型として進めます。

ダブルバスレフ型として参考となる情報があります。

(株)ラジオ技術社 「スピーカー・システム製作集」
  1989年11月20日初版
  1991年6月15日2版2刷

より

・ダブル・バスレフSPシステムの製作①(小原由夫氏)
・Wバスレフ方式 エンクロージャの設計と製作②(小原由夫氏)

によれば、次のような周波数を求める式が記載されています。

※第○ダクトの円換算時半径(cm)とは、ダクト断面積を円の面積とした場合の逆算半径です。

まず、設計してみて上記式に各数値を代入し、第1ダクト、第2ダクトの共振周波数を求めます。
そして、その関係が次の範囲内に収まることが推奨されています。

①第1ダクトの共振周波数は、第2ダクトの共振周波数の2~3倍程度
 (第2ダクトが75Hzとすれば、第1ダクトは、150Hzから225Hzの範囲を狙う)

②第2ダクトの共振周波数は、SPユニットの最低再生周波数の0.7倍~1倍程度
 (ユニットの仕様表記がない場合は困りますが…)

スピーカーの製作については、いろいろとアイデアが盛り込まれてきており、ダブルバスレフについても異なる理論による計算式等が考案されているかもしれませんが、上記掲載の計算式はひとつの参考式としてお役に立つと思います。

 

2009年06月17日作成
2011年10月16日一部更新

 

サブウーファでの利用目的になるでしょう、メインスピーカーとしてこのタイプは現在ないように思います。

本方式を簡単に言うと、バスレフ型のスピーカーユニット前面を密閉箱で覆ったようなイメージです。
ユニット前面(または後面)の音をふさいで、空気室と共振ダクトによるヘルムホルツ共鳴を利用して、低音を増強します。

共鳴周波数の計算については、バスレフ型のヘルムホルツの共鳴法則が適用できると思いますが、低音再生においてメリットがあります。

通常のバスレフ型では、最低共振周波数より下の周波数においては、ユニット前面との音の打ち消しが発生して急速にレベル(量感)が下がる特性となります。
しかしこのケルトン方式の場合は、打ち消す動きとなるユニットの前面が密閉箱で覆われていますのでその打消し効果がないといえます。
なので、最低共振周波数を下回る低音に関しても、そのレベルの低下はバスレフに比べ緩やかになります。
それにより、バスレフ型より低域の量感を稼ぐことができ、その結果、より低い音域が聞こえてくることになります。
サブウーファーとしてはメリットのある特性ではないでしょうか。

スピーカーユニットとしては、片方は密閉された空間(密閉型)、片方はバスレフ型ということで、どちらもユニットの動きを妨げる抵抗性があります。
そのため、エンクロージャー入れた場合のスピーカー能率は低くなってしまう方式ですので、サブウーファとして大抵はアンプが搭載されてますね。
アンプで低音増強の強弱を付けられる方が、いろいろなメインスピーカーに合わせられるというメリットがあります。

アンプレスでも、メインスピーカーは能率の低い小口径に、本ケルトン方式によるウーファは能率の高い大口径を使ってバランスをうまくとる、といった対策でうまくいくポイントはあるでしょう。

ちなみに、リングダクトSPの前面を片方をキャップで塞いだ塩ビソケットで覆ってみたところ、当然ながら前面の中・高域音が封じ込められますので、全体に音は小さくなりますものの低音が強調された感じになります。
感覚的で恐縮ですが、低域方向に伸びている?という感じはありました。

 

2009年05月24日作成
2011年10月16日一部更新

 

共鳴管型スピーカーは、その名のとおり共鳴を利用したスピーカーです。
共鳴をイメージしやすいのはパイプオルガンではないでしょうか。パイプオルガンは共鳴させる音域を長さで変えてホールに響かせるわけですが、まさにあの理論をスピーカーに持ち込んだタイプです。

共鳴管スピーカーには、大きく分けて2種類あると思います(個人的に)。

ひとつは、スピーカーユニットの前面は表側に出し、裏側に共鳴管を設置するタイプ。
もうひとつは、スピーカーユニットの前面または後面両方を共鳴管の中に放出するタイプです。

共鳴管(例1)は、音楽等を楽しむ際のメインスピーカーとして使えますが、共鳴管(例2)はサブウーファーのような低音増強専用として使われる場合が主でしょう。
共鳴管(例3)は、アコースティックウェーブ・ガイド型とも呼ばれるタイプで、スピーカーユニット前後の長さの違うパイプで異なる共鳴(共振)を狙うものです。ボーズ(BOSE)社の通称キャノンがこのタイプと思います(下記に参考情報有)。

共鳴管方式は、共鳴周波数を求める計算が簡単です^^

周波数=音速÷(4×共鳴管の長さ(m))

で求められます。
※これは共鳴管を片方閉じた場合、両方閉じた場合は 周波数=音速÷(8×共鳴管の長さ(m))。

音速が340m/秒として、共鳴管の長さを1mとした場合は、

340÷(4×1)=85Hz

となります。

スピーカー背面に長い音道を持つイメージでは、バックロードホーン型と似ているのですが、このように動作原理が違う共鳴管型となります。

音速の1/4の長さで共鳴することから効率が良いといえば良いですね。
4mの管を作れば…約20hzまで出せる、ということになります。
ただし、共鳴は管を曲げたり折り返したりすれば効果が薄れます。折り返しは1回までが推奨、2回がやっとでしょうか。3回ではかなり効果が薄れると思います。

ユニット取り付け位置は、基本は管の端から1/3のところとされています。

また、開口部については、断面積の40%が良いとされてます。これは好ましくないとされる奇数倍周波数音の低減効果、共振周波数を下げる効果、があるとされます。

また、この共鳴管方式の変化型として共鳴効果は薄れるのですが、音道を何回も折り曲げる音響迷路(ラビリンス)型と呼ばれるタイプがあります。
音響迷路(ラビリンス)型は、長い音道を通ることで中高音域の音を減衰させて、低音域を残して取り出そうとする方式のようです。

共鳴管型の音質傾向は、共鳴管内の空気抵抗はバスレフ型よりかなり小さいために、ユニットはのびのびと動作ができます。
共鳴管(例1)タイプであれば、重低音の量感を得るのは難しいかもしれませんが、そこそこの低域であれば量感も稼げます。内部構造もシンプルですから手がけやすいタイプのひとつと思います。塩ビ管であればより簡単です^^
共鳴管(例2)タイプであれば、サブウーファーとして別アンプでパワーを入れてやると、重低音を導くことができます。

まぁ難点としては、共振周波数を得る長さは1/4で済むとはいえ共鳴させる管の長さ必要ですから、それなりの大きさになるというところでしょうか。

(※参考1)
BOSE社のサブウーファー AWCS-II(写真はメーカーサイトより)

 

2009年05月06日作成
2009年05月31日一部修正加筆
2009年07月21日一部画像修正(ユニット位置説明の誤りについてご指摘があり修正しました。ご連絡に感謝です)

 

スピーカー自作で、バスレフ型と双璧をなす人気タイプがこのバックロードホーン型スピーカーです。
市販品ではほぼ存在しないタイプというところも、自作のやる気を刺激するタイプですね。
それにバックロードという響きも個人的にかっこいいと思いますし^^

先日ご紹介しましたスピーカーの前にホーンが設置されるフロントロードホーン型、そして名前からもわかるとおりスピーカーの後ろにホーンを設置するのがバックロードホーン型です。

バックロードホーン型にはいろいろな形があります。
オーソドックスというか、見た目的に一番普通(?)なタイプがこんな感じでしょうか。
バックロードホーン部分については、いろいろとアレンジしてみたい自作派の心をくすぐるってもんです^^

バックロードホーン型といえば、長岡先生(故 長岡鉄男氏)と言われるほど人気のあるモデルを数多く設計された方がおられます。
(長岡氏の代表作「スワンタイプ」については、下記参考イラスト有)

バックロードホーン方式の意図する形はこんなイメージですね。

フロントロードホーン型は放出される高音域がありますので、高音を劣化させるようなホーン形状にはできません。なので基本的にはストレートのラッパ状ホーンを取り付けることとなります。
しかし、スピーカーの後ろから放出される音は、中音、高音域についてはなるべく減衰させて低音域を増幅して取り出したいところ。

その点から、後側に設置されるホーンはストレート形状である必要性は低くなりますし、ホーン部を折り曲げ、折り曲げすることで高音域~中音域の減衰効果も狙えます。

音道が長いことでは共鳴方式がありますが、こちらは折り曲げ等が多いと共鳴による低音増強効果が薄れるのですが、共鳴型とは動作原理が異なるバックロードホーン型では音道が長ければ長いほど効果を与える周波数が下がっていきます。
音の早さは340m/秒(1気圧・気温15℃)ですから、100Hzまで増強効果を得ようとすれば、ホーンが3.4m必要となる理論です。
ユニット前面からの放出される低音がありますから、実際はまだ低域方向の音も全体としては含まれます。

ということで、仮に3.4mとしてもストレートなホーン形状では、この長さを自宅ではまず設置不可能ですが、折り曲げが可能となれば状況は変わります。

先ほどのバックロードホーンのイメージを、板材で作るイメージはざっとこんな感じ。

さてこれを箱型に収めようとすると、次のように折り曲げて格納するイメージとなります(音道が上のイメージと合ってないのはお許しを)

まぁこれは説明用のイラストですが、長岡氏が数々設計された中にもこのような箱型タイプがいくつかあります。
(長岡氏の考案スピーカーについては、詳しく説明されている本や、webサイトがありますのでそちらをご参照ください。下記に参考サイト有)

さて、製作難度はその構造上の手間を考えると、やはりバスレフ型等より一段と難しくなります。メーカーもこの点で量産効果が上がらないとみてかほとんど参入してないですね。
(株式会社長谷弘工業の考案タイプは、量産化のひとつの答と思います。下記に参考情報有)

さて、バックロードホーンスピーカーを作ろうとすれば、板材はかなりの量を切断する必要がありますよね。
必要な板を、ノコギリを使って手でジコジコジコと切るのもダメとはいいませんが、音道を組み上げたら音道に隙間がたくさん…というのは何とも悲しい事態ですので、なるべく精度が出るホームセンター等の機械を活用する方法が良いと思います。

まぁ、そのホームセンターでもお店によって上手い下手があるのも事実ですが、多少腕が悪いとはいっても機械精度は人手のジコジコより上ですので、利用しない手はないでしょう。
多少の隙間等は接着剤の量や種類を変えてエポキシ系を使う等でもカバーできるのでは?と思います。

バックロードホーン型ですが、バスレフ型であればホルムヘルツの共鳴の法則によって、空気室容量とダクトの断面積と長さである程度の設計が可能となるのですが、バックロードホーン型はあまりそのあたりの公式等が出ていません。
長岡氏の本のいずれかにそういった式の記載があるらしいですが、とても難しい公式で私の頭では理解できません(汗)
(その記述された本を持っておりませんので、ここでは割愛します)

バックロードホーンタイプで使用するスピーカーユニットは、強力なマグネットを装備して、またコーンが軽く作られているものが好まれます。
この強力なタイプは、FOSTEXからいくつか出てますし限定品などは人気の的。

軽いコーンを強力な磁石でドライブする。
コーンを動かすだけでなく止める制動力でも有利ですから、音源に忠実な音を再生するのに適しているとされます。
ユニットの背後は、密閉型バスレフ型に比べると空気抵抗がかなり低く、ユニットの動きを妨げ難いというメリットもあります。

このタイプのスピーカーユニットは、バスレフ型ではまずうまく鳴りません。
あまりに振動にキレがあるもので、特に背後の空気室の空気が振動をうまく受け止められずに空振り現象となって、低音増強が機能しないのです。
バスレフ型には、イメージとしては「どっこいしょ!」とコーンが動くスピーカーユニットタイプが低音増強面には概ね適していますが、この点がバックロードホーンファンからすれば反応の遅い低音に聞こえてしまう要因のようです^^。

バックロードホーンの場合には、わずかな空気室からすぐに音道、すなわちバックロードホーン部へとつながっています。
スピーカーユニットの鋭い振動が、空気室というクッションを通さず、このバックロードホーン部へ伝わり低域の増強効果を生みます。

本格的なバックロードホーンタイプはまだ自作しておりませんが、長岡氏設計のD58かD55の音を聴いたことがあります。

ユニットはFOSTEXの限定ユニットでした(型式は覚えてません)。
強力なユニットであることもありますが、バックロードホーン型の背面ストレスの少ない構造が、ユニットの振動に負担を与えにくい点はメリットとして大きいでしょう、とてもクリアな音質感。
大きな筐体でもありますし大きく前面開口したホーン部から、もりもり低音増強があるのかと先入観を持ってましたら、その点は意外にも上品な低音。
個人的感想ですが、派手系なバスレフ2Wayスピーカー等の低音に慣れていると、やや物足りなく感じるかもしれませんが、全体にとてもクリアで、そしてスピード感があるなぁという感想を持った記憶があります。

よく、上質のバックロードホーンを聴いたら、もう他のタイプには戻れない…という話を聞いたりweb上で目にしたりします。
好みは人それぞれですが、バックロードホーン型を自作する人が多いことからも、そういうファンは多いのだなと分かります。

まぁデメリットとしては、バックロードホーン型はスピーカーユニット背面から出た音が、長い音道を通って出てくるので低音の時間差(ズレ)が気になる、という指摘があります。
分速340mの音が、仮にバックロードホーン部3.4m抜けてくる差としては0.01秒?ということですが、どうなのでしょうね。

バスレフ型も位相反転による僅かなズレは起きておりますし、実際に聞き比べて好みを探るしかないと思いますね。

 

(※参考1)
長岡氏のバックロードホーン型代表作スワンタイプのイメージ

ちょうど頭部のユニット部から、首から体部のバックロードホーン部の姿が白鳥に似ているデザイン。
頭部スピーカー取り付け面が極端に小さく、点音源という点でも大変優れているとの評価。

 

(※参考2)
株式会社長谷弘工業「バックロードホーンスピーカー」

積層タイプのバックロードホーンで、自作キットの販売もされている。下記はその一例。

詳細は株式会社長谷弘工業のページにてご確認ください。

株式会社長谷弘工業ホームページ

 

(※参考3)
オーディオテクニカ社より発売されている、バックロードホーンスピーカーセットの機器(スピーカー単体購入も可能のようですね)。
かなり小型のバックロードホーンのようで、どんな音か興味があります。

詳細は株式会社オーディオテクニカ社の商品ページにてご確認ください。

バックロードホーンSP AT-SP30BLH

 

(※参考4)

全体にすばらしいですが、特に長岡氏のバックロードホーンスピーカーの解説が見事なサイト。
参考になります。

T’z Audio Crafts

 

2009年04月30日作成
2009年05月01日一部更新
2011年10月16日一部調整
2014年04年10日一部リンク先変更

 

あまり見かけないタイプですが、スピーカーユニットの前にホーンを有するタイプです。

フロントロードホーンにより能率が高いことが特徴で、またボーカルなど生々しく再生するとして固定ファンも多いと聞きます。
現在は、上記イメージのような大型スピーカーユニットのフロントロードホーンタイプより、高域よりのツィーターやそれに近いミッドレンジ用のドライバー前に付けられるフロントロードホーンタイプが多いですね。

フロントロードホーン型は、その長さから低域の音を増強することができません。
音の早さは340m/秒(1気圧・気温15℃)ですから、100Hzまで増強効果を得ようとすれば、ホーンが3.4m必要という計算です。スピーカーとして通常置けるサイズを超えてしまいます(…)
※ただしスピーカーユニット前の空気をホーンによって囲むことにより、スピーカーユニット(振動板)の空振りを軽減する効果が生まれます。それにより再生できてなかった音が聞こえてくる、といった効果が期待できます。

かといって、スピーカーのフロント側からは高音が出てますから、ホーン部分を曲げたりすることが原則できません。乱反射等が発生すると高音が濁ったり共鳴したりでよほどうまく作らないとデメリットが大きいと思います(背面の音であれば折り曲げ可能→バンクロードホーン型)。
※折り曲げ形のフロントロードホーンを持つスピーカーが、過去には存在していますJBLのパラゴン等)

ということで不足する低音については、バスレフ型と併用するコンビネーション型としたり、別途スーパーウーファーを併用されるようです。

上図は、フルレンジをフロントロードホーンとしたイメージですが、ツィーターをフロントロードホーンタイプとしたスピーカーはJBL等でメジャーです。ツィーターであれば、そもそも高域を受け持つユニットですから、ホーン部分も短くて済みます。

フロントロードホーンタイプは、製作面では難易度が高そうです。木を丁寧に削る、曲げるといった作業も必要になるでしょう。その分、うまく出来たときはより気分も良さそうですね。

ちなみに、ヘッドホンユニットで簡単なフロントロードホーン型スピーカーを作ってみてますので、ご参考までに^^

旧ゆったりねっと掲載移設:スピーカー自作(6号機:ヘッドホンでフロントロードホーン) ※後日リンク設定します

 

2008年11月03日作成
2010年06月20日一部加筆

 

バスレフ型スピーカーは、スピーカーユニットの背後から出る音を利用して低音を増強しようとする方法です。
背後から出る音を、反転させて前面に押し出すようになることから、位相反転型スピーカーともいいますが、一般的には低音を反転されるという意味でしょう、バス・レフレックス方式と名づけられ略してバスレフ型と言われています。
(鏡の反射を利用して高倍率としたカメラ用レンズも、レフレックスレンズと呼ばれますね)

密閉型スピーカーは、スピーカー背後は閉じられた空気室となっていますが、この空気室に穴を開けるとバスレフ型となります。

開放された穴をポート、ポートから後ろに続くパイプ部分をダクトといいます。本を読んでいると、板に穴を開けただけでも板の厚みがパイプ状態になるので、その部分がダクトとして機能すると書いてあります。

バスレフ型にすると、空気室の容量とダクトの長さにより共振周波数が発生します。これをうまく調整することで低音強調がなされたスピーカー特性となることから、比較的容易に低音を引き出す方法として市販品でも圧倒的にバスレフ型が多いところです。

ポートの形状は円である必要はなく、四角形や細い長方形でも大丈夫です。形状による特性の違いは多少あるでしょうが、共振周波数としては断面積が影響するところです。

このダクトの共振は、ヘルムホルツの法則により導かれます。
法則ですから、何やら難しい式が存在しておりますがここでは割愛^^

要は、「空気室の容量と、ダクトの長さと断面積で、共振する周波数が決まりますよ~」というものです。
計算式は難しいので、いつか数値を入れると計算できるツールを置きたいものです^^(追記:下記に共振計算の参考ページ設置)

例えば、上のイラストのようなスピーカーを想定して、

・高さ40cm   ・幅20cm   ・奥行き30cm
・ダクトの長さ 20cm   ・ダクト断面積 30c㎡(15cm×2cm)

としますと、このときの共振周波数は約40Hzとなります(板の厚みは考慮してません)。

仮にダクトの長さが10cmだとしたら、共振周波数は約50Hzとなります。
ダクトの断面積を半分にして、共振周波数を約40Hzにしようとすれば、ダクトの長さは約8.5cmで済む計算になります。
ただ、あまりダクトを細くしたり、長くしたりすると低音域の量感が足りなくなる可能性がありますので、そこはユニットとの関係も含めて適正なところを探ることになります。

実際にはスピーカーユニットの振動板面積やスピーカーの持つ特性(抵抗)も左右してきますから、上記のように法則より導かれる数値になるかというとなかなかそうでもないところ(汗)。
ま、なので自作の面白いところでもあります。計算通りにいかないかと思えば、逆に思わない効果が出てきたりと^^

さて、でもなんだかバスレフの効果って分かりにくいですね。
そこで、よく次のように例えられます。

・スピーカー  →  ピストン 
・空気室  →  バネ
・ダクト  →  重り

空気室は、密閉型であればスピーカーの振動により揺さぶられても、空気の出入りする場所がありません。なので、振動板が裏側へ動けば圧縮された空気が振動板を押し返すバネ効果を生みます。

バスレフ型もダクトにより外部と空気の移動があるにしても、それは平面バッフル後面開放型とは比べられない抵抗が生じていますので、密閉型に及ばないまでもバネ効果が生じているといえます。

ダクトは、長さと太さで抵抗が変化します。
太くて短いダクトより、細くて長いダクトの方が当然ながら空気の移動が妨げられます。これが重りの大小と置きかえれます。

それを考えてイラストにすると次のようになります。

そこで想像してみてください。
例えばバネでなくても輪ゴムでもイメージできると思うのですが、輪ゴム(バネ)におもりを結んでぶら下げます。
手を上下に動かすと当然おもりも上下に動きます。
そしてタイミングよく、輪ゴム(バネ)に適度なテンションがかかるように上下運動すると、輪ゴム(バネ)の力を利用して効率よく上下できるポイントがあると思います。
なかなか手の動きはタイミングを統一することができないので再現が難しいですが、手の運動は輪ゴム(バネ)が伸びきる前に引き上げる動作をし、縮みきる前に今度は下げる動作に入るようになります(輪ゴム(バネ)の場合には縮むことへの反発がほぼありませんが、スピーカーの空気室では圧縮された空気が反発します)。それにより輪ゴム(バネ)の反発力(?)を効率的に使って上下運動させていることになります。

つまり、おもりの動きは輪ゴム(バネ)反発力を利用することで手の動きとは逆になる、手の動きの速さの範囲があるといえますよね。
これを分かりやすいように、アニメーションを作ってみました。
(やや強引ですがこんな感じではないでしょうか^^)
※表示画面でアニメーションが動かない場合は、画像をクリックしてみてください。

ピストン=バネ=おもり の動くイメージにあわせて、バスレフ型スピーカーの動きも入れてみました。
ご覧のように、矢印の向きが同じになります。

つまりは、スピーカーの裏側の音を前面に押し出す

ということで、これが位相反転型スピーカーとか、バス・レフレックス型スピーカーといわれる原理です^^
この動きは、バスレフ型スピーカーの最低共振周波数より高い音域ではこういった動作作用が働いています。

さらに、上のアニメーションはピストンとおもりの上下の振幅長は同じになってますが、共振のバネ効果が効いてくるとピストンよりおもりの上下振幅長が大きくなる“はず”です^^
それをアニメーションにしてみると、
※表示画面でアニメーションが動かない場合は、画像をクリックしてみてください。

こんな感じでしょうか。

バネの力を際を最大に活用するのは、最も振幅が大きくなるポイントです。そのポイントでこの効果が最大になりますよね。
それがバスレフ型スピーカーエンクロージャの最低共振周波数ということになります。

このポイントを超えると力関係の均衡が崩れてしまい、ピストンとおもりの連動する動きが崩れてしまう、ということになります。

さて、この位相反転させる音ですが、音の速さの中の僅かなタイミングながら、スピーカーより出された音はワンクッション置いてダクトより出ていることになります。
ユニット正面の音よりほんの少し遅れている音、ということになりますね。
なので、低音は気にならないところですが、中高音域はできるだけ漏れないようにした方が良いわけで、そこで吸音材がいろいろと工夫されてもいるところです。
でも、吸音材も入れすぎると元気のない音になるし、低音の量感まで奪うときがありますから、なるべくスピーカー形状で高音域をカットできる方が望ましいかなと、個人的には思います(空気室の大きさやダクト形状など)。

さて再び輪ゴム(バネ)とおもりを想像してください。
輪ゴム(バネ)のテンションをうまく利用しながらの上下作業、でもその手の動きをどんどん遅くしたらどうなるでしょうか?
先述のように、ピストンとおもりの力の均衡が崩れてしまった場合の想定です。

あるスピードを下回ると、輪ゴム(バネ)は反発することなく、手の上下の動きにそのまま追従するようになるはずです。

こんな感じに…
※表示画面でアニメーションが動かない場合は、画像をクリックしてみてください。

今度は、矢印の動きは逆向きになりました。
バスレフ型としての、反転させる効果は失われておりますね。
これが最低共振周波数を下回った周波数での動作となります。

単純ではないでしょうが、これはスピーカー前面の音を打ち消すような動きでありまして、実際バスレフ型スピーカーの最低共振周波数から下の低音域の量感は急速に低下します。
特性としては、密閉型がなだらかに下がりながらも低音域を伸ばすのに対して、バスレフ型は最低共振周波数まで量感を保ちつつ、それ以降はストンと落ちる、そんな特性傾向となります。

簡単にはこんなイメージです。

市販製品のほとんどがバスレフ型です(その亜種のような存在もたくさん^^)
スピーカー背面の音をいかに有効利用して、その効果を得ることができるか、手作りスピーカーとしても楽しめる部分と思います。
なので、このバスレフ型とバックロード型に自作派が挑むことが多いですよね~

スピーカーの自作、手作りの音は面白い^^

(※)追記
細かい法則等には触れず(よ~分かりません)、なるべく分かりやすいようにご説明している“つもり”であります^^。
自分もバスレフの原理がよく分からずにいましたので、このページを作成しながらいろいろ調べました。
上の説明やイラストで全てが説明できるものでもないでしょうが、バスレフ型の動作イメージとしては参考になると思います。
(誤りがなければよいのですが…大汗)
その他いろいろと初心者向けに分かりやすい情報がありましたらお待ちしております。

 

(参考)バスレフ型スピーカー「共振周波数の計算」

 

2008年03月08日作成
2008年03月15日加筆
2008年03月19日修正・加筆
2017年02月07日加筆

 

スピーカーの後ろ側から出てくる音を閉じ込めて、スピーカー前面から放たれる音と干渉させないことを主な目的としてます。

密閉型スピーカーのイメージです。

ひとくちに密閉型といっても大型からPCの横の置けるような小型サイズまで、大きさやデザイン(形)はいろいろ多岐にわたります。

自作するには、内部の空気室のサイズをスピーカーユニットの推奨する容量にある程度合わせることができれば、失敗は少ないタイプ^^。スピーカーユニットを購入すると、推奨容量等を記載した取扱説明が入っている場合がありますので参考になります。
まぁ、空気漏れがしないように後ろ側を囲ってしまえば、とりあえずは密閉型スピーカーとなりますので、いろいろサイズは試行錯誤できます。

本タイプの特徴は、密閉された箱ですからスピーカーの振動に対して内部の空気圧が抵抗となります。
イメージすると、風船を相手に押したり引いたりするようなものですから、スピーカーユニットにパワーがないと、その抵抗(反発力)に負けてしまい能率の低下(再生音量が小さい)が危惧されるところ…

それに加えて、空気の反発力が強くなりますので、低音のために大きく振動しようとするスピーカーユニットの動きにブレーキをかけますので、スピーカーユニットの最低共振周波数まで再生されにくくなります。
これは空気室が小さいければ小さいほど、そのブレーキが強まります。なのでスピーカーユニットに対して、かな~り小さい空気室とされる場合には要注意かもしれません。

逆にスピーカーユニットに対してかな~り大きい空気室である場合は、内部のブレーキ力が弱まりますのでスピーカーユニットの持つ最低共振周波数付近まで再生できるようになると思います。ただし、論理的には密閉箱に入れる限りは、このスピーカーユニットの最低共振周波数より低い音を出すのは困難でしょう…
ということで、大きいと場所をとるというデメリットもあることですし、ほどほどの大きさが良いようです^^

スピーカー後方をぐるりと取り囲んで裏側の音を封じてしまう方法ですので、たいていは空気室内部は音を吸収するために吸音材をいっぱいに詰め込んであります。
市販品ではグラスウールが多いですかね。ただ、ガラス繊維がキラキラと散乱するのが好きになれません(個人的に)。ま、開けて取り出すようなものでもないので問題ないように思います。
自作派の方々には、内部にティーパックを吊り下げるとか、紙風船を入れるといった話もありますし、熱帯魚水槽用などのフィルターを使っても効果があります。

音質は、空気室容量に左右されるところですが、バスレフ型のような低音増強がありませんのですっきり系の音傾向。
ただし後ろ側の音を封じる際に、スピーカーユニットの動きにブレーキをかけることにもなりますので、こもった音に聞こえてしまう場合もあると思います。

最終的に音質は、スピーカユニットと、箱の材質と、工作具合、によりますか(笑)

 

2008年02月15日作成

 

平面バッフルは、スピーカーを大きな板に取り付けることで、スピーカー前後の空気の流れを遮断し、特に低音域で打ち消されてしまう現象を排除しようとする原理です。
それなりの効果を得ようとすれば、音の速さが約秒速340mということもあり、けっこう大きくないと低域の効果が得られません。
なかなかそんな大きなバッフルを置けるなんて珍しいので、それならば前後の空気を遮断すれば良い….という目的を発展させて、平面バッフルを折り曲げたような形となったスピーカーがあります。

 これが後面開放型スピーカーと呼ばれるものです(図は後ろから見たイメージ)。
平面バッフル同様、前後の空気が回り込むにはグルリとスピーカー筐体を回る必要があり、これにより前後の空気の移動を遮断しようというものです。
密閉型の後ろ側が塞がれていないイメージになりますが、最近の市販品には見かけません。
メリットとしては、

平面バッフルより小型化できる。
密閉型と違いストレスのないユニットの動きが可能(平面バッフル同等)

でしょうか。

 小型化できるのは見ての通りですし、密閉型では空気室内の空気が空気バネとしてユニットの動きを妨げていますが、後面開放型はその点ストレスフリーの動きとなり、抜けの良い音が期待できます。
デメリットとしては、

・共振が発生する
・定在波が発生する

といわれていますね。
共振は、ユニット背後がボックス状の大きなダクトといえますから、共振域は高めに出ると思いますが共振が発生してしまいます。これは平面バッフルではなかったもので、筒状になることで発生してしまいます。
また、筐体の上下、左右の面で定在波が発生しますが、先の共振と共にどれぐらい問題になるか分かりません。
それより個人的には、バスレフ型とは違い背後からも盛大に中高域の音が出ているので、壁などに近いとそれら中高域の反射音が気になるように思います。
逆に反射音が弱ければ、先の共振による不要な音も気付かないレベルかも…と想像しています。
ということで、後方に余裕が必要なスピーカーである点は、平面バッフルと同様でしょうね~

 

2008年02月24日作成