電工材を使ったスピーカー切替器

スピーカーの自作をやっていますと、視聴のためにいろいろとスピーカーの繋ぎかえを行う機会が増えます。
また、普段聴いているスピーカーとの違いを知るために、切替がしやすくロス時間が短いとほんと助かります。

手持ちのアンプは全部で4つ(2010年6月現在)
・Pionner A-A9(メイン機)
・KENWOOD A-1001(リビング設置、ほぼ活躍なし)
・SANSUI アルフ A-α77(実家での視聴用)
・Technics SU-A70(故障中)

この中で、スピーカー出力を2経路持つアンプは「SANSUI アルフ A-α77」のみですが、これは実家での視聴用に出かけてます。
普段メインに利用するのは「Pionner A-A9」ですが、スピーカー端子は1系統ですから、まぁスピーカーの聴き比べにおいては不便なのです。

で、やっぱり作るかスピーカー切替器、というのがことの始まりであります。

スピーカー切替器といっても、ネット探すといくつかすぐに見つかります。
リレー搭載のリモコン対応機から、ロータリースイッチやバナナスイッチを使った切替器など、値段も数千円~数万円という幅広さ。

やはりここは自作でしょ^^

さてパーツ屋さんがない地方都市ですから、ホームセンターで揃う材料で挑む必要があります。
(スピーカー端子は手持ち分を使います)

ホームセンターには、電子パーツ屋さんのようないろんなスイッチ類などはまずありません。
で、私が電気工事士という過去の経験を活かして狙うは電工用品^^

ズバリこれ。

配線工事用のスイッチですね。
屋内で見られたことがあると思います。
で、これは普通の片切スイッチではありません。

両切スイッチといいます。通常のスイッチは、同様に両極に2本の差込口を備えてますが、それぞれ内部はつながっています。これは送り配線用や2箇所の同時点滅に使えるようになっているため。

それに対して両切スイッチは、2本の差込口はそれぞれ内部が独立したスイッチになってます。なので、両切りスイッチ1個でスピーカーの2線(プラス線、マイナス線)を同時にオン/オフできます。

まぁ考えてみると、片切スイッチを使ってプラス線のみでオン/オフ操作し、マイナス側はスイッチを通さずL/R別にマイナス線を結線して常時接続状態でも切り替えはできますよね…この方法の方が安上がりです。両切スイッチのお値段は片切スイッチの約2倍の600円~700円しますので。

今回使用したのは、信頼の松下電工製(あれ、パナソニック電工にはまだなってない?、在庫が多いのでしょうか)

その両切スイッチを埋め込みボックス用の取付枠に3個×2セットとしました。
これにより、スピーカーを3回線切替できるように、と狙ってます。

この仕様では、スピーカーをたすきがけ状態で鳴らしたり、2系統同時、しないと思いますが3系統同時に鳴らすということも可能。つまりは自由が利きます。

さて収めるケースですが、木製の手頃な箱があれば良かったのですが見つかりませんでしたので、100円ショップで適当な樹脂性ケースを購入してきました。
スイッチを収めた取付枠は、本来は埋め込みボックスと呼ばれるもの等に収めるのですが、今回は取付枠を直接樹脂製ケースのフタに4mmボルトで固定することにしました。

まずはそのために開口

厚刃のカッターで切ります。
弾力性のある素材で、それほど苦労することなく開口できました。

取付枠そのままでは見栄えが悪いので、化粧プレートを装着します。
取付枠2個を囲むようにベージュ色の枠がありますが、この上に化粧プレートをパチッとはめる受け側になります。

さて次は配線です。
電工用のスイッチですので、やっぱり使うのは電工で使う電線。
太い方が良いので、VVF2.0mm×2芯を選択しました。VVF1.6mmという電線もありますが、太いに越したことはありません。とはいえ、VVF2.6mmではスイッチの差込口に入りませんので、現実的にはVVF2.0mmです。

今回は切り売りで3m購入(10cm:14円)

では作業を進めます。
樹脂製ボックスの蓋に取付枠を固定する穴を4箇所開けて、取付枠それぞれ上下2箇所を固定します。

次にスイッチの周りにスピーカー端子を並べます。
手持ちのもので急ごしらえです。

スピーカー端子を仮止めしたところ。
次に配線ですね。

VVFケーブルは、皮膜が2層になっています。
グレー色の外側皮膜を剥きますと、黒白の皮膜に覆われた2本の電線で出てきます(3芯であれば一般的に赤線(または緑線)が加わります)

内部配線にはこの黒、白の電線状態にしたものを使います。
長さが異なると音質にばらつきが出る恐れがありますので、すべて10cmでカットしました。
スピーカー端子側には端子を取り付けました。
(金メッキ使用なら音が良さそうに思えますが、まぁ手持ちにはありませんで^^)
スイッチ側は差し込むだけですから、10mmほど被服を剥いておきます。

スイッチ2次側の配線が完了です。
次は1次側、つまりはアンプからの信号をそれぞれスイッチに入れてやる必要があります。
市販品はアンプ側も端子があって接続するようになってますが、あまり接続箇所を増やすのは好ましくないと考えまして、アンプから直接VVF2.0mmで引き込むことにしました。

スピーカーケーブルには無頓着でして、
・短い方が良い
・細いより太い方が良い(抵抗が少ない)
というぐらいの認識です。

スピーカーケーブルには太い断面積の電線が有効だと断言する先輩を知っており、その方はやたらと太い電源用ゴムキャブタイヤケーブルを使ってありました。
(その太さの高級スピーカー線に比べると超格安)

ネットで調べていると、VVFもなかなかの高評価のようです。

ということで、スイッチ1次側はアンプからのVVF線と合わせて4本をリングスリーブ圧着結線。
一次側のVVFケーブルは樹脂製ボックスの側面から入れることにしました。

※リングスリーブ用の圧着工具がなくても、ホームセンターに電線を差し込むだけの結線用部材が売られてますので対応できます。

結線箇所はビニルテープで絶縁処理をして…

完成です。
2.0mmとはいえ単線ですから、曲げるのがけっこう大変です。

側面からです。
樹脂製ボックスがまぁひ弱なもんで、スイッチとスピーカー端子を結ぶ電線の戻り圧力とでもいうのでしょうか、うまくしないと天板(蓋)が波打つとは思いませんでした(汗)

とりあえずの視聴テスト。

音出しは問題なしですね。

音質は…
直結時と比べてそれほど違いが分かりません。
厳密には劣化しているのでしょうけど…個人的には問題なしですね。

まぁ、個人的な見解としてですが、
このスイッチは家庭用電気配線に使うものです。15Aの電流に耐えます。
スイッチ接点はその電流で危険度のある熱を出さない仕様になっています、つまりは抵抗が低い。
弱電用スイッチに比べると強固な接点と思う次第です。まぁ、金とかは使われてないと思いますが接点面は広いでしょう。

アンプへの負担の有無は別にして…
今回作成したスピーカー切替器は

・左または右だけ音を出したい
・同時に鳴らす(3系統同時はちょっと怖いですが)
・A経路の左と、B経路の右を同時に鳴らす(その逆も)

といったことが可能です。

製作費用は手持ちを使ったスピーカー端子抜きでざっと5,500円ぐらいでした。
途中記載しましたが、両切スイッチではなく片切スイッチで製作の場合は製作費用5,500円が3,000円位に下がりますからお勧めです。今にして思えば、両切スイッチでなくて良かったかなぁと…思っていたりして(笑)

これから自作時の視聴などに大活躍してくれそうです。

 

2010年06月27日作成
2010年06月29日加筆

 

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