コンビネーション型は、スピーカーエンクロージャーのタイプを組み合わせてできるスピーカータイプの総称です。
とはいいますものの、組み合わせる方法としては
・フロントロードホーン + バスレフ
・フロントロードホーン + バックロードホーン
・フロントロードホーン + 共鳴管
といったところでしょうか。
コンビネーションといいましても、スピーカーユニット前はフロントロードホーンが現実的なので、それほど組み合わせ数があるとは思えません。
フロントロードホーン + バスレフのコンビネーション型スピーカーのイメージです。
フロントロードホーンは、スピーカーユニット前面の音に作用しますが、音道の長さのみの関係からは中高域に効果を発揮しているでしょう。
しかし、上記イメージ図のような大型コーンタイプのスピーカーユニット前に設置するフロントロードホーンの場合は、中高域の増強を図るというより別の効果を狙って取り付けてあると思われます。
それは、音道が短いからといって低域部への効果がないかというとそうでもなく、フロントロードホーンによりスピーカー前の空気を囲い込むことからスピーカーユニット(振動板)の空振りを防ぐ効果が生まれ、結果として空振りして音にならなかった低域音が出てくる効果は期待できます。
加えて、フロントロードホーンによる指向性が発生して、その方向への音圧は増す(能率が上がる)傾向になりますね。
タンノイ社のオートグラフ(1953年発売)という有名なスピーカーがありますが、これはフロントロードホーンとバックロードホーンを組み合わせています(下記イメージ)
オートグラフに使われるスピーカーユニットはコアキシャル(同軸2way)で、一見普通のスピーカーユニットに見えますが、実は中央はツィーターが組み込まれているという代物。
また同じく名機としてアルテックのA5(1977年頃発売)、A7(1975年頃発売)といったフロントロードホーン+バスレフというタイプがあります。
こちらも中高域については別にユニットをもつ2wayタイプで、コンビネーションのキャビネットは低域用となっています。
スピーカーユニットの空振り防止と、指向性による会場方向への能率向上という目的でしょうね。
2010年06月20日作成
2010年08月08日加筆
コメント & トラックバック