工具メモ

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木板積層リングダクト構造は、文字通り板を積層接着します。
この接着がある程度想定通りにいけば、精度も上がりますし、その後の研磨作業も楽になります(少なくとも2面の木板積層による段差が低減)。

これまでも冶具を考えて…

 

 

このようにL字型アングルを金具で固定して立ち上げて、接着をサポートしようと試みました。

これを製作する前は何もなく目視で合わせてやってましたが、やはり予想以上にズレたり、やや捻じれたように接着されていたりと問題多々(–;)
その点ではこの冶具もかなり効果を発揮したのですが、問題点も見えてくる…

 


 

仮に15枚の積層では、接着剤を塗って置いて、塗って置いてに時間がかかり、特に夏場は一度に接着するのはやや厳しい。
15枚目を貼り合わせた頃には最初の方はかなり固化が進み、貼り付けズレの調整が困難。

→接着を分割することにして、5枚程度ずつ丁寧に接着した方が良さそう。


 

立ち上げているアングルも、コーナーはアングル2本を結ぶことでしっかり固定されているものの、両サイドは重さがかかると押されて傾く。

→一度に15枚も接着しない前提であれば、ここまでアングルを高くする必要がない。


 

ということで、分割接着を前提とするならば…ということで、冶具を見直すことにしました。

 

 

ある程度平面が確保されているコンクリート板(盆栽板でした)と、丈夫そうな肉厚・幅広L字金具を購入。

構想時にはL時金具の取り付け方法をいろいろ考えて、長さのあるコンクリート板が良かろうと買ったのですが結局はカットすることに。
これなら、これまでのに使っていた30cm×30cmのコンクリート板を流用できましたね。

 

 

コンクリート板に振動ドリルで開口してボルト締めしたところ。
底面はナットが出てますので、それをカバーするようにバランス良く角材を4本ほど両面テープで貼り付けています。

購入したL字金具は、直角を保証するものではありません。
直角に対して多少開き気味だったりその逆だったりしてましたので、万力に挟みハンマーで叩くなどして微調整してます、まあまあでしょう。

 

 

接着する際は、写真のようにベースの板を敷いて、この上に対象板を置いていきます。
(接着剤が垂れてきますから、不要な紙などを置いておいた方が無難です)

今回の冶具、18mm厚の板であれば、7、8枚程度までは一度に接着できそうです。

L字金具はがっちりとしてたわむ感じもありません。強度的にはばっちりですね。
これで2面をサポートしてうまく接着できればなによりです。

4面をサポートしないのは、ホームセンターにあるパネルソーのカットでは1、2mmの誤差が生じるため(かなりうまくやってくれたら0.5mm程度)。
NC旋盤により切り出すならば、かなりの精度でいけるんでしょうけどね~(木工プロの世界ですね)

 

ほんと接着がうまくいくかがものすごく大事。
さてさてどうでしょうか、次回作業が楽しみです。

 

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前回は

自由錐の刃入替え(自己責任)

ということで、自由錐にちょいと手を加えて最大開口寸法を拡大へ。
直径22.8cm程度まで拡大できる計算ですが、刃の向きを付け替えたりすることからうまく切り抜けるか少し気になったところ…

テストです。

 

 

開口はできました。

両翼にある刃は、共にぐるぐる回って削るのですが、それぞれ外側を削る刃と内側を削る刃と役目があって少し異なる形状になっています。

今回、刃の向きを変えたことが影響したのか、内側と外側を削る際に段差が生じる状況になりました。
外側が先に削っていき、遅れて内側が削られていく、という感じです。
これがあると、切り抜き時に最後に残る部分、今回の場合は内側のMDF材に切り残しが生じます。

ということで、外側が先行して削るような状況になりましたので、グラインダーで外側刃の長さを調整して概ね良好という状況にしました。
アーム部から測る刃先までの長さはあまり変わらなかったのですが不思議な感じです。

 

以上により、自由錐の刃取付部品の向き変更+刃の向き裏返しというメーカー非推奨作業については、一応可能である、という結論に至りました。

 

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所有する木工用の直径20cmまで開口できる自由錐…(自由錐にも用途に合わせていろいろ種類があります)

 

 

こんな形をしていて、左右アーム上を刃の取り付けられた部品が移動して、開口サイズを変えられるというもの。

アームの両端にはストッパー(ビス)が取り付けてあり、刃の付いた部品(刃取付部品)が回転時に飛んでいかないようになっています。
金属製で質量がありますので、回転時に飛んでしまうとかなりの凶器となるでしょう(怖)。

写真はストッパーに当たるまで刃の位置を広げた最大サイズ時(直径20cm)の位置にしています。

 

 

この場合の刃の位置をみますと、刃取付部品の内側にビス留めされています。
刃が回転する非常に危険な工具ですから、なるべく怪我を防ごうとする設計と思われますし、刃が内側にあることで取付けビスが緩む事故があっても遠心力で刃の部分のみ飛んでいくという事故も低減されそうです。

というところですけど…

20cmより大きく開口したいという状況(願望)にありまして、この内側刃となっている刃取付部品をくるっと回転させて外側刃にすると当然ながら開口寸法が上がります。
アーム両端のストッパービスは外せますので、刃取付部品を一回引き抜き再度差し込みストッパービスを再度取付。

 

 

刃取付部品をくるっと入替えただけだと、刃の向きが逆回転用になってしまいますので、刃も取付けビスを外して表裏を逆にして取り付けなおします。

これで、右回転で同様に開口作業ができる…はず(ですよね)

 

 

ということで、両方の刃取付部品を取付けしなおしたところ。

間違いなく「メーカー非推奨行為」でございますので、ご注意ください(自己責任ですよ)
実際に開口作業をやってみてから経過を報告します、うまくいくとよいのですが…

自由錐の刃入替え→切り抜きテスト(自己責任

 

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サンドペーパーを芯から放射状に束ねたようなフラップホイル。
これ、リングダクト構造の筒内部を研磨するには必需品ですね。

電動ドリルに取り付けて使用します。
なるべく小型のドリルの方が筒内部を削る際には適してますね。

背面板を先に接着すると、筒の奥の研磨が難しくなりますから両側から研磨した後に接着するようにします。

 

 

フラップホイルを持たない頃は、彫刻刀で削ってペーパーがけといったことをやったことがありますが、まぁ効率悪すぎ。
彫刻刀は当てにくいし、ペーパーがけは力が入らないし、それに手でペーパーがけするには削る部分が大きすぎたりして…(ま、これは貼り付け精度にもよります)

その点、フラップホイルを使い出したらずいぶん楽になりました。
けっこうドリルは酷使しますね、左手で回転部の手前に親指をあて、そこを支点にこねるようにけっこう力を入れまから。

 

いずれにしましても、この研磨の手間を極力減らすために、積層接着の精度アップは欠かせません。
今回もやっていて、ちょこちょこミスをしたのも接着時に悪影響があったんですよね~

何事も経験の積み重ね、次回はもっとうまくやります…新たな治具も検討中…です。

 

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ベルトサンダーでおおよそ整えたら、オービタルサンダーの出番です。

 

 

ベルトサンダーは、研磨能力のあるサンドペーパーが輪になってまして、それがモーターの力により回転して対象物を削ります。
対して、オービタルサンダーは自らがブルブルと振動することでサンドペーパーが細かく対象物を削ります。

研磨能力はベルトサンダーが上ですが、細かい調整をしていくにはオービタルサンダーの方が適しています。

 

 

しばらく使うとペーパーの能力が低下しますので、交換。
オービタルサンダーに合うように予めカットされている専用サンドペーパーもありますが、ロール状に巻かれた長いサンドペーパーもあり、こちらは適度なところでカットして使うもの。
コストパフォーマンスはたぶん後者に軍配上がるでしょう(写真のもそのタイプ)

積層木板の表面を整える作業は大変ですが、次第に綺麗になっていくのは楽しくもありますね。

 

ただ…オービタルサンダー…
対象物に押し付けてますと、けっこうな強さでブルブルと振動を受け続けますので、長いことやってますと手がしばらく痺れたような感じになったりします…ね(笑)

 

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少し前ですが、makitaのベルトサンダを購入しました。

 

 

当初は小物を削るのにも使うため、別売の専用スタンドを購入。

 

 

これがそのスタンドで、これにベルトサンダを逆さまにして取り付けると…

 

 

卓上ベルトサンダになる、という商品。
まぁ、ちょっとスイッチのON/OFFがやりずらいところはありますが、専用卓上ベルトサンダとは違いますから贅沢なことは言いません^^

 

このベルトサンダ、本来はスピーカー製作時に使うために購入。
スタンドはおまけ的に小物を削るために使う予定でした。

ところが…
スタンドを取り外してスピーカーに押し付けて使おうとしたのですが、現在の製作スピーカーサイズでは削る相手としては小さいですね。
本来は大きな板面とかを整えるためのベルトサンダでしょう、一辺が20cm~30cmのスピーカーなもので、ベルトサンダを押し付けると簡単に動いてさらには転がっていきます(汗)
なので、しっかり固定しなければ難しいですね。
しかしスピーカー側を固定してしまうと、向きを変えたり、回転させたりというのがスムーズに出来ませんから効率的とは思えません。

このmakitaのベルトサンダにはオプションがあります。
サンディングシューと名づけられていますが、ベルトサンダのぐるぐると回るベルト部に平行な板状枠で囲むことで、削る対象物をより平面に整えやすくするという商品。
手持ちで使う際にこれ便利そうだと買っていたのですが…

上記のように手持ちで使うのは難しいとなって試行錯誤…
ちょっとまてよ、スタンドと組み合わせたら?

 

 

ベルトサンダ側を固定して、スピーカーの方を持って削ることにしました。
このような使い方にも、このサンディングシューは大変有効です。

ベルトサンダはそれなりに重量がありますし、多少ぐいっと押し付けたら抵抗力具合でズリッと動くことはありますが問題はなさそう。
気になればスタンドを固定してしまえば大丈夫ですし。
(削っているところは撮れてません)

木製リングダクト構造は、板を積層しますから接着後の表面整えはけっこう大変なんです(笑)
強力な味方を手に入れた感じです!

 

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前回、小型ボール盤が使えなかった話題

 

かなり久しぶりに使おうとした小型ボール盤が…

 

手配しましたゴムベルト、1週間ほどでホームセンターより入荷したとの連絡が入り受け取りに行きました。
お値段は400円弱^^

 

三共ボール盤11山がギザギザにあるタイプのベルトですが、特にボール盤の受け側に凸凹が作ってあるわけではないですね。
径が異なる場合でもうまく駆動できるための造形なのでしょうか(よく分かりません)

 

三共ボール盤12ベルトはピンと張るように取り付けます。
このボール盤の場合は、写真上部にあるナットを2つ緩めてモーター側を動かしてベルトを取り付け、再び元の位置まで引っ張りナットを固定する、という交換になります。ま、簡単ですね。

写真は既に動作テストしたものでベルトが少し汚れてますが、ピシャリ、小型ボール盤が稼動できる状態となりました(なによりなにより^^)
こうした部品対応ができる商品(メーカー)は使っていて安心できますね~

 

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ボール盤は、大型、卓上普通サイズ、卓上小型サイズと3台所有してます(サラリー家庭でボール盤がこんなにあるところも稀でしょう^^)

卓上小型サイズは、以前ブラックバスのルアーフィッシングに興味を持っていた頃に、自分でルアーを作って遊ぶために購入したもので、かれこれ15年前ほど前に使っていたことになりましょうか。
その後フィッシング対象魚が変化してルアー製作をやめて、さらにはルアーフィッシングからデジタルカメラ&スピーカー製作へと趣味も移ったため、この小型卓上ボール盤は実家の倉庫で眠っておりました。

スピーカー製作に再度取り組んでいる昨今、スピーカーの取り付け用のビス下穴を開けるためやその他小物の穴開けに使えますし、せっかくあるものだから使わなくてはもったないと約15年ぶりに活躍すべく実家から賃貸マンションの自宅へと持ち帰ってきました。

 

三共ボール盤01三共コーポレーションの卓上ボール盤mini HDP-10という商品で、ネットで検索かけてみたら今でも売られていました。

高さは40cm程度で、回転速度の調整も可能です。
ただ、もっとも遅い回転数でもけっこうな速度で回ります。もう少し低速までコントロールできたらもっと使いやすいのにと思いますが、モーターサイズからしてある程度回転速度をかせいでおかないとトルクが稼げないということかもしれません。
なにはともあれ、ルアーのような小物の穴開け作業等にはとても重宝する小型ボール盤であります。

さて、自宅に持ち帰り、新しく購入した2mm切り先を取り付けてスイッチを入れると、回転すると同時に赤茶色みたいな3mm~5mmサイズのゴミが2、3個飛び出てきました。
思わずすぐさまスイッチをオフ…

「あれ、ルアー製作時の木屑か何かが残ってたかな…」

と思いつつ、再度スイッチを入れると、またまたバラバラッと同じようなゴミが出てきます。今度はもっとたくさん…
こんなにゴミが溜まっているような場所ないんだけどな…と、そのゴミを手にとってみると“これは木じゃない!ゴムだ!”という感触!!!

いやな予感がして、上部の蓋を開けてみました(ビスを2箇所外すと簡単に取り外せます)

やはり…

 

三共ボール盤02モーターの動力を伝達するベルトがボロボロ…

経年劣化とはこのことですなぁ…
三角の山がギザギザにならんだタイプのベルトですね、この山部分がどんどんと剥がれ落ちてバラバラと降ってきたという状況でした(大汗)

通常サイズの卓上ボール盤上部にはプーリーがあって、動力伝達には黒い台形形状の断面ベルトが設置されています。あれは硬くてタフそうで経年劣化するのか分かりませんが、いきなりこんな使用不能状況には追い込まれないだろうなぁと思う次第。
サイズがサイズだけにああいうベルトを使えないので、このような歯車対応のようなゴムベルトなんでしょうけど。

しかしこうボロボロになっては使い物になりません…

早速本日、三共コーポレーションのサイトのお問合せから部品の取り寄せが可能か確認しているところですが(お盆の休暇の可能性があるので回答は来週かな?)、さっそく作業したかった内容がお預けになっちゃいました。

 

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2013年08月15日

卓上ボール盤と言われるタイプです。

先日購入した、より大型のボール盤に比べるとだいぶんと小さいですが、あると便利ですね。

 

卓上ボール盤01以前、ブラックバス用のルアーを製作していた際に(お遊び程度です)購入していたボール盤です。あまり見かけない東芝製…

少々サビが出てますが、駆動系はまったく問題なく動作してくれます。

新たに購入した“より大型のボール盤”は自由錐専用として利用してますので、この卓上ボール盤でスピーカーユニットやスピーカーターミナルのビスの下穴加工など細かい穴開け作業などを行います。

手に持って使う電動ドリルでは、慎重に穴をあけても微妙に傾いていた…なんてことありますが、ボール盤の場合は受け台の水平が出ていれば垂直に開口できますから精度的にはなくてはならない存在です(個人的に)。

 

卓上ボール盤02ちょっと窮屈に移ってますが、まだ倉庫内整理途中のためです^^

実は、さらに小型の卓上ボール盤もあるのですが(笑)、これはしばらく出番なさそうですね。

 

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2013年05月12日

 

自由錐-3本自由錐、写真に写る木工用が3本、それと写真にはありませんが塩ビ等を切る片アームの軽金属対応の小型自由錐を所有してます。

ボール盤か電動ドリルに取り付けて回転させることで対象物をカットする道具です。
木工用は両側にアームが伸びてその先に刃が付いており、刃の位置はスライドできるようになっています。
アーム部にメモリが付いていて、両側の刃の部分をそれぞれ位置合わせして固定します。

刃は、内側を切る向き、外側を切る向きと分かれており、内、外を切りながら溝を作るようにカットしていきます。
刃は比較的単純ですから、切れ味が落ちてきた…と思ったら、ダイヤモンドシャープナーのようなもので研げばいいですね。

リングダクトスピーカーは、空気室(内筒)とその内筒を囲む外筒から構成されるために、同じ板にサイズ違いで2回の開口を行います(それを積層します)。
自由錐は1つでも作業は可能ですが、私の場合はサイズ調整を都度行うのが面倒なのと、なるべく一定にしておきたいという考えから2つの自由錐を使い分けています。

少し小さい自由錐は、これは刃の位置を動かして使う用途で、スピーカーユニットやスピーカーターミナルの取り付け部開口用です。

 

余談になりますが、開口作業についてはトリマーも良く使われています。
トリマーからアームを伸ばし開口部センターにビス止めし、切断用ビットでぐるんと回せば円形にくりぬくことができます。

以前、この方法が自由錐より安全ですよ、というアドバイスを頂きました。

確かにそうかも…と思いましたが、個人的にはあのビュイィィィィィンと凄いモーター音から超高速回転するビットというトリマーは、面取作業に使ってますけどどうも苦手です(笑)
たぶん仕上がりはトリマーの方が綺麗になりそうに思いますが…開口枚数が多いので効率性を考えて私は自由錐を選択(現在のところ)

 

アドバイスを頂いた頃は電動ドリルで自由錐を回していましたから、不安定な作業状況でした。
今はボール盤で芯のぶれない回転を得て、また対象の板はクランプで固定して回転する刃に手を近づけることもなくなく、安定した作業状況となってます。
以前3針縫う怪我をしましたから、同じミスはしませんよ(笑)

ちなみに電動ドリルで自由錐を使う場合、開口径が大きければ大きいほど、高トルク型のタフな電動ドリルでなければ早々に煙がでます(苦笑)

 

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2013年05月05日

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