サブウーファでの利用目的になるでしょう、メインスピーカーとしてこのタイプは現在ないように思います。
本方式を簡単に言うと、バスレフ型のスピーカーユニット前面を密閉箱で覆ったようなイメージです。
ユニット前面(または後面)の音をふさいで、空気室と共振ダクトによるヘルムホルツ共鳴を利用して、低音を増強します。
共鳴周波数の計算については、バスレフ型のヘルムホルツの共鳴法則が適用できると思いますが、低音再生においてメリットがあります。
通常のバスレフ型では、最低共振周波数より下の周波数においては、ユニット前面との音の打ち消しが発生して急速にレベル(量感)が下がる特性となります。
しかしこのケルトン方式の場合は、打ち消す動きとなるユニットの前面が密閉箱で覆われていますのでその打消し効果がないといえます。
なので、最低共振周波数を下回る低音に関しても、そのレベルの低下はバスレフに比べ緩やかになります。
それにより、バスレフ型より低域の量感を稼ぐことができ、その結果、より低い音域が聞こえてくることになります。
サブウーファーとしてはメリットのある特性ではないでしょうか。
スピーカーユニットとしては、片方は密閉された空間(密閉型)、片方はバスレフ型ということで、どちらもユニットの動きを妨げる抵抗性があります。
そのため、エンクロージャー入れた場合のスピーカー能率は低くなってしまう方式ですので、サブウーファとして大抵はアンプが搭載されてますね。
アンプで低音増強の強弱を付けられる方が、いろいろなメインスピーカーに合わせられるというメリットがあります。
アンプレスでも、メインスピーカーは能率の低い小口径に、本ケルトン方式によるウーファは能率の高い大口径を使ってバランスをうまくとる、といった対策でうまくいくポイントはあるでしょう。
ちなみに、リングダクトSPの前面を片方をキャップで塞いだ塩ビソケットで覆ってみたところ、当然ながら前面の中・高域音が封じ込められますので、全体に音は小さくなりますものの低音が強調された感じになります。
感覚的で恐縮ですが、低域方向に伸びている?という感じはありました。
2009年05月24日作成
2011年10月16日一部更新
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