※旧ゆったりねっとの閉鎖に伴い、自作スピーカー関連話題をDIY-Soundへ移行(移設)しております。
2007年8月~9月に掲載しました記事(一部改編)ですのでご了承ください。
スピーカーに詳しい御仁が言いました。
「以前イヤホンのスピーカー部をメガホンのようなラッパ状に組み合わせたら、これがけっこう良い音がしたっちゃんね。」
とのこと。ほほ~、面白そうです。
いわゆる「フロントロードホーン型スピーカー」となりますね、それの小型版という感じ。
ラッパ状のホーン部をスピーカーの前に設置すると、そのホーン部で囲った部分の空気を振動させることになります。
ホーン部がないスピーカーと比べると、これは良い結果をもたらすようですし、音量も増すようになります。
イヤホンのような小さなスピーカーで音を聴く、イメージとしては蓄音機に近いかもですね。
蓄音機はレコード針の振動を音に変えているもので、信号としては微弱なはず。
それが音となって耳に届くのですから、ホーン部の効果がお分かりになるかと思います。
このレコード針の代わりを、イヤホンスピーカーで代用しようというのが今回の計画。
振動部が極小ですから、スピーカーに詳しい御仁曰く、かなりキレの良い音が望めるはず…
ということで、突然に安価なヘッドホンをバラしてスピーカー部を取り外します。
イヤホンもバラしましたが、ちょっと小さすぎるかなとこのヘッドホンに白羽の矢が立つことに^^
こんなこと思い浮かなければ、このへッドホンも壊されることはなかったのに…と同情したりしますが…
次はホーン部を探す必要が…
これは100円ショップのミニパイロンが有力な状況….
ほんとは理想形状のロート(じょうご)等を探しているのですが、まぁ手始めはミニパイロンで問題はないでしょう。
実際、選定決定後にまたご紹介します。
また、これを機にいつかほしいなと思っていたホットボンドを購入することに。
白いロウソク状の接着材を熱で溶かしながら、固定したい部分に付ける道具。
イヤホン部をビス止めなど不可能そうなので、今回はこれで接着固定を考えております。
ということで、道具が届き作業が進められたらご報告します。
さて、どうなりますか^^
(ここまで2007年08月31日掲載:旧ゆったりねっと)
さてヘッドホンのユニットですが、耐久出力はいったいどれぐらい…というほど小さいはず。
実際、ヘッドホンタイプではなくてイヤホンタイプに、スピーカー端子からの音を入れてみましたところ、いともあっさりと飛んでしまいました。
コイルが切れたのでしょう…
多少ヘッドホンの方が、ユニットサイズが大きいこともあり少しはマシでしょうけど、この程度の音量にフロントロードホーンを付けたぐらいでどこまでやれるのか…
面白いのでやりますが、どのような音になるかは少々懐疑的であります。
まずはユニットの確定。
正直言って、このためにヘッドフォンを購入して分解するわけにはいきませんので、手に入るお安いものでいきます。
簡単にいえば、飛行機の機内で音楽を聴くときに使うような安価そうなヘッドフォンです…
といいますか、そのもの…とも言います(爆)
まぁちょっとしたワケがありますのでご了承の程を…^^
ユニットを取り外しました。
コーン部分(振動部分)が、ピラピラのビニールみたいなユニットです。
裏面は、意外にしっかりした端子がありました。
これならハンダ付けもうまくいきそう…
取り外した際に壊れてないかを調べるために、この状態で線をつなげて聴いてみますと、小さな音が流れてきました。
ユニット、大丈夫そうです。
次にこのユニットの前に設置するホーンが必要です。
最初はじょうご(ロート)を探したのですが、適度なものが見つかりません。
以前、集まれ塩ビ管スピーカーさんに投稿されている先輩より、ハイスピードロートなるスピーカーのホーン部に適した形状の商品を教えてもらいましたが、なかなかめぐり会わないですねぇ。
で、代用品ということで…
今回はコレです。
ダイソーにあったパイロン(大)。
(大)とはいっても、ダイソーにある3種類のうち一番大きいという程度で、高さは30cm程度、持ちようによってはメガホンに見えるようなサイズです。
とりあえず、今回はコレでいきましょう。
フロントロードホーンの役割は、スピーカー前の空気を囲うことで振動を受ける空気量を増やすことにあります。
音は空気の振動です。
大きなスピーカーユニットであれば、そのものの動きで多くの空気を震わせることができますが、小さいユニットであれば細工なしでは振動を与える空気量は限定的です。
そこで、ホーンで囲うなどして震わせる空気量を稼ぐわけです。
振動する空気量が増えれば、その空気量全体からまた振動が伝わっていきますから、音の大きさが増す…ということではないでしょうか。
フロントロードホーンでは、その振動が広がりやすいように、ラッパ状に先に行くに従い大きく広がる形状となるのが一般的です。
聴くところ、昔の映画館では現代のように大出力アンプがありませんでしたから、スピーカー側に仕組みを作って大音量となるようにされていました。
その大きな担い手となったのがホーンだったそうです。
今回使うのはヘッドフォン用の小出力ユニットですから、スピーカー形状でカバーしなければ満足に聴ける音量は難しい…
フロントロードホーンという形状は、今回は必須なのでありますね^^
(ここまで2007年09月10日掲載:旧ゆったりねっと)
ダイソーで購入したパイロン、この頂き部?にヘッドフォンユニットを取り付けるために加工が必要です。
直径を計れば、ほぼ頂き部付近に取り付け可能のようですので、ホーンとしての長さを有効に活かせます。
まずは、ドリルで適当な穴を開けて、リーマでゴリゴリとその穴を広げていきます。
慎重に広げていき適度な固さ(スカスカでは困る)で納まるサイズに調整し、ユニットを取り付けたところです。
で、はめたはいいけど、この形状…簡単に外せなくなってしまいました(苦笑)
ま、いいか~とこのまま接着剤を流して固定化です^^
次に、接地側の四角状に広がった部分を切り落とします。
あまり丈夫な素材とはいえないので、塩ビ管に入れて補強しておこうということで、丸く切り落としましょう–
まぁハサミでカットなのであまり綺麗には切れてませんが、まぁ設計予定上は見えなくなる部分なので、これまた、ま、いいか~ということで勢いで作業進展です^^
(ここまで2007年09月11日掲載:旧ゆったりねっと)
強度の問題。ホーンも押せば凹むような素材ですしなんとかしなければなりません。ホーンを格納する筐体部分を作ろうと思います。
要は、塩ビ管に入れてしまえ、というワケです^^
まずはキャップの加工。
サイズからしてVU150用の材料を奢ります…
・VU150用キャップ 約900円/個(4個使用)
・VU150用パイプ 約1,000円程度か
・スピーカー端子 756円(2007年09月現在)
ううむ、想定外の材料費ですねぇ^^(在庫だけど)
ま、それでもユニット代がありませんので安いといえば安いですが…
この塩ビ・キャップへの穴あけ加工に役立つのは、自由錐【じゆうきり】。
写真のような工具ですが、これをドリルまたはボール盤にセットして回転させて使うもので、写真のものは40mm~120mmまでの穴を開けることができます。
サイズについてはもっと大型のものも存在しますが、大きくなればなるほど剥き出しの刃の回転半径が大きくなり危ない道具…であります^^
(回転半径を覆うカバー(防塵目的かな)も売られているものがあります)
写真は薄板用で、押し切りしていくような感じですが、厚板用は溝を掘るように削っていきます。材質によって刃の形状など違いますね。
キャップの後ろ側にホーンをはめてみたところ。
ここで接着するためにホットボンドを利用しようとしたのですが、一気に広いエリアを接着するのには不向きですねぇ。熱い状態でないと接着できず、ぐる~りと塗って貼り付け用としたら既に最初の方は冷えている….みたいな感じです。
強力な接着力は確認できたのですが…
で、強引に使っていたら壊してしまいました(涙)
ということで、ここはエポキシ接着剤で取り付けることにし、さらに塩ビパイプを後ろ側から密着させることで、安定した固定を行います。
これを塩ビのパイプに入れ、開口部と反対側にもキャップをして内部を密閉化し、スピーカー端子の取り付けと内部配線を施し….完成!
ホーンが赤い、とても鮮烈な印象を与えますねぇ。
隣にあるリングダクトスピーカー ゆったり8号機(RD-801)より一回り大きいです。
覗き込むとヘッドフォンユニットが見えます。
実際の長さ以上に奥行きを感じますね(感覚って不思議)。
フロントにホーン形状を持つスピーカーには、JBLの製品群をよく目にします。
特にボーカルでは、ホーンならではの効果を感じる、などと聞きます。
老舗JBLが一環して採用しているのにも、そういった利点があるのでしょう。
ポップな大塚 愛のベスト版から“さくらんぼ”を流してみます。まぁ元気になる曲ですね。
ゆったり8号機につないでいたボリュームでは、さすがにヘッドフォン用というべきか、小さな音が鳴っています。能率はとても低いようです…
そこで、ユニットが壊れないかなぁと恐る恐るボリュームを上げてみると、
おおっ! ヘッドフォン用でこんな音がでるの?
と少々感動!
繊細な音の表現ができてますね、なるほど….馬鹿にできませんね、コレ。
音量もそれなりありますよ。
これ以上どこまで上げることができるか….怖くて出来ません…
けど、室内で聞くには十分な音量を確保できますよ!
(スピーカーの向きの調整は必要ですけど)
ただし低音はスカスカです。
ユニットがそもそも非力であることもありますが、別の理由もあります。
音の速さは約340m/秒です。
ですので、1Hz【ヘルツ】の音の長さは340mとなり、10Hzの音で長さは34mですね。
重低音とはいかないまでも、ポップスやロック等で低音と感じる100Hz前後の音でも長さが約3.4mにもなります。
1Kz(1000Hz)まで高くなれば、長さが34cmとなりますね。
ホーンは、ユニット前の空気を囲い込み振動を与える空気量を確保する要素がありますから、低音で効果を得ようとすればそれだけ長いホーンが必要となります。
100Hzでもざっと3.4mのホーンが必要になる…といえるのですから、まぁ低音に効果を求めるのはそもそも家庭用では不可能…といえます。
でも、今回の6号機はホーン長約30cmから計算しますと、1133Hz位より高い周波数においては効果を上げているように思われます。
参考までに時報のプ・プ・プ・プーンの音。
プ・プ・プの低い音で440Hz、プーンの高い音で880Hzとされていますから、それより高い周波数からのホーン効果、ということになりますね。
(まぁ他にも要因があると思いますので参考程度で)
またホーン形状ですから、先述のように指向性が強くあります。
自分の方向に向ける、向けないでは全然違います。
特筆すべきは音像。
音像はとても小さく、くっきり浮かび上がります。ユニットが小さいことが好影響を与えているようです。
では、職場スタッフに聴いてもらいました。
その感想から・・・
□スピーカーに詳しい御仁
今回のヘッドフォン・フロントロードホーンスピーカーについて、作ってみりぃ?という雰囲気を作った御仁、その評価は?
「おっ、面白い!」
「以前作ったのは、もっとシャリシャリ音やった記憶があるけど、ふ~ん…」
「侮れん侮れん…」
□ゆったり人1号
「すっげぇ~」
「しかし、よ~作るね」
□ゆったり人2号
「いつも聞こえない音がします…」
これについては、よほど変なコンポで聴いてるんでないかい?と思ったのですが、いやいや高域においてはかなり繊細な音が出ています。
ゆったり人2号の感想は正しいかも。
といったところで、自作スピーカーゆったり6号機でした。
(ここまで2007年09月13日掲載:旧ゆったりねっと)
2009年08月31日掲載(若干の修正を行っております)
2011年11月16日一部更新
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