吉川さん製作の 竹スピーカー(孟宗竹リングダクト)

吉川さんよりメールでご連絡を頂きました。

最初はリングダクトスピーカーの製作を考えられてのご質問等でした。

塩ビ部材でお考えだったようですが、その後リングダクトの構造上「孟宗竹」でも作れるのではないか、と思い立たれて今回製作を頂きました。

後日完成した写真を拝見し、是非当サイトでご紹介したいとお願いしたところ快諾頂き、たくさんの写真と製作過程が分かるコメントを頂きましたので紹介させていただきます。

頂きました原文そのまま(一部省略有)ご紹介します。
 
※写真をクリックすると大きく表示されます。

 


 

当初は、管理人さんの設計と手順をそのまま拝借し、塩ビ管にてスピーカーを作る気でいたのだが、何か円筒形の物がないかと考えていたら、裏庭に邪魔な孟宗竹が腐るほどあることに気付いた。

孟宗竹の太いところと細いところを利用したら岩下氏が取り組んでいるリングダクトスピーカーになるのではないかと考えた。

早速、裏から孟宗竹を一本伐ってきて太いところと細いところを合わせてみたら、何とかなりそうであった。

薪運びだ犬の散歩だと色々あり、この製作だけに一日を費やすことはかなわないため、結果的には竹の切り出しから視聴まで4日を要した。

実質の工数は15時間ぐらいだと思う続いて製作の経緯を綴ってみる。
 
 
【1日目】

家裏から太めの孟宗竹を一本伐り出した。

根もとの太いところと中間の細いところをカットしてみた外管、内管としてうまく使えそうである。

この孟宗竹は日当たりが悪かったのか、いびつで切り口は楕円形である特に太い方が楕円形は顕著である。
 
【2日目】

結婚記念日で休み。

【3日目】

(1)まずは設計図の作成であるそうは言ってもポンチ絵だがイメージを固めるために作成した。
 
(2)切り口のパリを防止するために採寸した切り口には養生テープを巻いた。

養生テープは接着力も弱く、伸びも少ないのでパリ防止にはよいと思われる。
 
(3)竹を水平にカットする工夫としてバイス型の作業台と3寸の角材を利用した。
 
(4)外管の長さは5寸にカット作業が進むと、この先の作業上の困難が予測される事実が少しずつ明らかになってくる。

節の隔壁は平らではない。
また隔壁は中での凹凸が大きい。
これほど竹の中をまじまじ見たことはなかった。

(5)まず内管の底に穴をあけた21φ。

3.6Vの電ドルがこのような細工には弱めでちょうど良い。
 
(6)竹の油抜き

薪ストーブの中で油抜き作業を行ったが、右は過熱しすぎて失敗した。

磨いてもテカリが出ない。
 
(7)内管と作業道具

電ドル
ホルソー
刷毛
カツター
サウンドペーパー(ペン型も含む)
ワイヤーブラシ
マジックペン
 
(8)外管と作業道具

電ドル
ホルソー
刷毛
切り出しナイフ
サウンドペーパー(ペン型も含む)
ワイヤーブラシ
木工ヤスリ
エアーダスター
 
(9)竹にキズ

材の切り出し時に竹の上に乗せてカットしたところ傷をつけていた。

失敗であるが取り返しはつかない。
 
(10)スピーカーを固定するためのリングを製作

結構きわどい作業であった。
 
(11)内管のスピーカーを収める個所の加工

道具はフリマで仕入れておいた100円の彫刻刀。
 
【4日目】

(1)内管の外側に100均で仕入れたスベリ止めシートとフェルトを貼るその効果を確認するため、一本にはフェルトを貼らずにおいた。
 
(2)底板はケヤキの四分の板を用意したが、硬すぎてこのような小物の細工には適さない。

裏蓋内側にもフェルトを貼った
 
(3)組立て組立ては裏蓋も含めすべてクサビを打った。

クサビを外せばすぐにばらせる。
スピーカー固定のリングにもクサビを打つ予定であったが、かなりきつめに作れたので省略。
 
(4)視聴

2060円のデジタルアンプにつなぎ、鳴らしてみた私の耳は疑わしてものであるが、スピーカーの特性そのままなのか、高音は澄んだ音色で伸びる感じがした。

スピーカー:Aura Sound NSW2-326-8A (4,956円) 小口径2インチフルレンジスピーカー

円筒のままではコロ・コロして安定しないので、置き台が必要となる。
少しデザインを気にして作成してみよう。

内管にフェルトを巻いたものとスベリ止めテープだけのもとの音色の差は私の耳では明らかにならなかった。

 
【追加 2013/01/22】

1.岩下氏の指導に基づき、内管と外管の隙間を狭くした
2.柿渋にて塗装を行った
3.足をつけた(細い竹を二つ割りにして足にしたが、太い竹を使った方が良かった)
 
以上
 


 

孟宗竹を組み合わせてのリングダクトスピーカー構成は初めてのことで、自分で検討したこともなかったのでとても新鮮でした。
それにスピーカーユニットの取り付け方法などにも凝ってあり、長くDIYをされていた経験が活かされていると感じました。

特に構造上苦慮されたと思いますのが、一見円筒であっても竹を組み合わせてみるとそれぞれに癖があり、リングダクトの幅をなかなか一定にするのは難しいというところと思います。
そのため今回の製作では多少幅に余裕のあるダクト構造にならざる得なかったと思いますが、調整にフェルトを巻いたり、その後のやりとりでゴムマットで試してもらったりと試行錯誤されたところです。

それにしても、竹の素材を生かしたリングダクトスピーカー、インテリアにもいいアクセントになりそうですね。

この度は製作からご連絡まで有難うございました。
今後とも宜しくお願いします。

 

(※写真をクリックすると大きく表示されます)

 

2013年01月25日

トラックバック

このブログ記事に対するトラックバックURL:

コメント & トラックバック

コメントはまだありません。

コメントする

WP-SpamFree by Pole Position Marketing